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論文

Axial U(1) symmetry at high temperatures in $$N_f=2+1$$ lattice QCD with chiral fermions

青木 慎也*; 青木 保道*; 深谷 英則*; 橋本 省二*; 金森 逸作*; 金児 隆志*; 中村 宜文*; Rohrhofer, C.*; 鈴木 渓

Proceedings of Science (Internet), 396, p.332_1 - 332_7, 2022/07

高温QCDにおける軸性U(1)異常の振る舞いはQCDの相図を理解するために重要である。JLQCD Collaborationによる以前の研究では、ドメインウォール・フェルミオンや(再重み付け法によって得られる)オーバーラップ・フェルミオンのような動的なカイラルフェルミオンを用いて2フレーバーQCDの高温相のシミュレーションを行った。本研究では、このシミュレーションを2+1フレーバー動的クォークを含む系へと拡張する。ここで、アップ、ダウン、ストレンジクォークは物理点近傍の質量をとし、2+1フレーバーQCDの擬臨界温度近傍、あるいはやや高い温度でシミュレーションを行う。本講演では、このシミュレーションから得られたディラックスペクトル、トポロジカル感受率、軸性U(1)感受率、ハドロン相関関数の結果を報告する。

論文

What is chiral susceptibility probing?

青木 慎也*; 青木 保道*; 深谷 英則*; 橋本 省二*; Rohrhofer, C.*; 鈴木 渓

Proceedings of Science (Internet), 396, p.050_1 - 050_9, 2022/07

量子色力学(QCD)の黎明期においては、グルーオン場のトポロジカルな励起を通して軸性U(1)異常が$$SU(2)_Ltimes SU(2)_R$$カイラル対称性の破れのトリガーとなることが期待されていた。しかし、そのような効果を格子シミュレーションを用いて定量的に検証することは近年まで困難であった。本研究では、格子上でのカイラル対称性を厳密に保つフェルミオン定式化を用いて、QCDの高温領域の数値シミュレーションを行った。このシミュレーションでは、格子上のカイラル対称性が満たされていることにより、スカラーおよび擬スカラーチャネルの感受率の中から軸性U(1)対称性の破れに起因する寄与を分離することが可能となる。2フレーバーQCDにおける結果は、$$Tge 165$$ MeVの温度領域におけるカイラル感受率が、軸性U(1)対称性の破れによって支配されていることを示唆している。

論文

Role of the axial $$U(1)$$ anomaly in the chiral susceptibility of QCD at high temperature

青木 慎也*; 青木 保道*; 深谷 英則*; 橋本 省二*; Rohrhofer, C.*; 鈴木 渓

Progress of Theoretical and Experimental Physics (Internet), 2022(2), p.023B05_1 - 023B05_12, 2022/02

 被引用回数:8 パーセンタイル:81.66(Physics, Multidisciplinary)

量子色力学(QCD)におけるカイラル対称性の自発的破れに関する相転移(カイラル相転移)の秩序変数は「カイラル凝縮」であるが、これと関係した量として、カイラル凝縮をクォーク質量で一階微分して得られる「カイラル感受率」という量が知られており、カイラル相転移を示唆する量の一つとしてこれまでしばしば注目されてきた。しかし、カイラル凝縮やカイラル感受率は軸性$$U(1)$$対称性の破れとも関係しており、その詳細は未だ明らかでない。本論文は、相転移温度近傍におけるカイラル感受率の振る舞いを調べ、軸性$$U(1)$$対称性の破れがカイラル感受率にどのように寄与しているかを明らかにすることを目的とする。具体的には、カイラル感受率をディラック演算子の固有値分解を用いた形式で表すことにより、軸性$$U(1)$$対称性の破れと他の寄与を分離する手法を用いた。2フレーバー格子QCDシミュレーションの結果は、$$Tgeq 190$$MeVの温度領域におけるカイラル感受率が、軸性$$U(1)$$対称性の破れに大きく支配されていることを示唆している。特に、connected partは軸性$$U(1)$$感受率に、disconnected partはトポロジカル感受率と呼ばれる量によって支配されることが分かった。

論文

Lattice-fermionic Casimir effect and topological insulators

石川 力*; 中山 勝政*; 鈴木 渓

Physical Review Research (Internet), 3(2), p.023201_1 - 023201_23, 2021/06

カシミール効果は、何らかの粒子のゼロ点エネルギーが2枚の平行平板の存在によって歪められることによって生じる物理現象である。格子上の自由度においては、エネルギーと運動量の分散関係はブリルアンゾーンの範囲で周期性を持つため、それに対応してカシミール効果も変化するはずである。本研究では、ナイーブ・フェルミオン,ウィルソン・フェルミオン,(メビウス・ドメインウォール・フェルミオン定式化に基づく)オーバーラップ・フェルミオンなどの格子フェルミオン系におけるカシミール効果の性質を理論的に調べた。特に、$$1+1$$, $$2+1$$, $$3+1$$次元において周期境界条件または反周期境界条件を持つ系について系統的な解析を行った。中でも、ナイーブ・フェルミオン,負質量を持つウィルソン・フェルミオン,domain-wall heightが大きい場合のオーバーラップ・フェルミオンなどの系において、奇数格子と偶数格子の間でカシミールエネルギーの大きさが振動する現象が見られた。この振動現象は、高運動量を持つ自由度(ダブラー)の存在に起因している。このような新奇なカシミール効果は、トポロジカル絶縁体のような物性系の実験や格子シミュレーションによって将来的に検証されることが期待される。

論文

Study of the axial $$U(1)$$ anomaly at high temperature with lattice chiral fermions

青木 慎也*; 青木 保道*; Cossu, G.*; 深谷 英則*; 橋本 省二*; 金児 隆志*; Rohrhofer, C.*; 鈴木 渓

Physical Review D, 103(7), p.074506_1 - 074506_18, 2021/04

 被引用回数:14 パーセンタイル:72(Astronomy & Astrophysics)

本研究では、格子QCDシミュレーションを用いて190-330MeVの温度領域における2フレーバーQCDの軸性$$U(1)$$アノマリーの性質を調べる。厳密なカイラル対称性を保つための格子フェルミオンとして、メビウス・ドメインウォール・フェルミオンや再重みづけ法によって構成されるオーバーラップ・フェルミオンを採用する。格子間隔は先行研究より小さい0.07fm程度であり、有限体積効果を正しく制御するために複数の体積でシミュレーションを行う。測定量として、トポロジカル感受率,軸性$$U(1)$$感受率,メソン/バリオン相関関数における$$U(1)$$パートナー間の縮退などの振る舞いを見る。臨界温度以上のすべての結果は、軸性$$U(1)$$対称性の破れが統計誤差の範囲でゼロと無矛盾であることを示唆している。クォーク質量依存性の結果は、$$SU(2)_L times SU(2)_R$$カイラル対称性の破れと同程度に軸性$$U(1)$$対称性が回復していることを示唆している。

論文

Casimir effect for lattice fermions

石川 力*; 中山 勝政*; 鈴木 渓

Physics Letters B, 809, p.135713_1 - 135713_7, 2020/10

AA2020-0811.pdf:0.54MB

 被引用回数:10 パーセンタイル:76.76(Astronomy & Astrophysics)

本論文では、相互作用のない格子フェルミオンにおけるカシミールエネルギーの定義を世界で初めて提案する。我々はこの定義を用いることで、空間方向に周期境界条件や半周期境界条件が課された1+1次元時空におけるナイーブ・フェルミオン,ウィルソン・フェルミオン,(メビウス・ドメインウォール・フェルミオン定式化に基づく)オーバーラップ・フェルミオンに対するカシミール効果の性質を調べた。ナイーブ・フェルミオンにおいては、奇数個・偶数個の格子に対してカシミールエネルギーが交互に振動するという結果が得られた。ウィルソン・フェルミオンにおいては、格子サイズが$$N geq 3$$の領域で、連続理論のディラック粒子におけるカシミールエネルギーとよく一致する結果が得られた。この結果は、格子シミュレーションによってカシミール効果を測定する際に、ウィルソン・フェルミオンによる格子正則化を用いることで離散化誤差をよく制御できることを意味している。さらに、(メビウス・ドメインウォール・フェルミオン定式化に基づく)オーバーラップ・フェルミオンはトポロジカル絶縁体の表面モードに対応しており、様々なモデルパラメータ依存性も調べた。これらの発見は、対応する格子構造を持つ物性系や、格子上の数値シミュレーションによっても検証されることが期待される。

論文

Axial U(1) symmetry and mesonic correlators at high temperature in $$N_f=2$$ lattice QCD

鈴木 渓; 青木 慎也*; 青木 保道*; Cossu, G.*; 深谷 英則*; 橋本 省二*; Rohrhofer, C.*

Proceedings of Science (Internet), 363, p.178_1 - 178_7, 2020/08

本研究では、$$N_f=2$$の動的なメビウス・ドメインウォール・フェルミオンを含む格子QCDの数値シミュレーションによって、QCDの高温相における軸性$$U(1)$$対称性、オーバーラップ・ディラック演算子のスペクトル、メソン相関関数に対する遮蔽質量、トポロジカル感受率などの物理量を調べた。これらの中でいくつかの物理量は(格子上の)カイラル対称性の僅かな破れに敏感であるため、そのような物理量に対してはメビウス・ドメインウォール・フェルミオンからオーバーラップ・フェルミオンへの再重みづけを行った。さらに、有限体積効果を検証するために複数の体積でのシミュレーションも行った。T=220MeV以上の高温領域におけるカイラル極限(クォーク質量がゼロの極限)近傍の結果は、軸性U(1)異常の強い抑制を示唆している。

論文

Symmetries of the light hadron spectrum in high temperature QCD

Rohrhofer, C.*; 青木 保道*; Cossu, G.*; 深谷 英則*; Gattringer, C.*; Glozman, L. Ya.*; 橋本 省二*; Lang, C. B.*; 鈴木 渓

Proceedings of Science (Internet), 363, p.227_1 - 227_7, 2020/08

量子色力学(QCD)の高温領域における性質は、カイラル対称性に関するクロスオーバー温度近傍において劇的に変化し、これまでに$$U(1)_A$$感受率,トポロジカル感受率,メソンスペクトルなどの物理量が調べられてきた。加えて、そのような高温領域における(核子などの)バリオンスペクトルの性質は、そのパリティ二重項構造に関連して注目されてきた。本研究では、格子QCDの数値シミュレーションによって、バリオンスペクトルにおけるカイラル対称性や$$U(1)_A$$対称性について調べる。ここでは、2フレーバーの動的なドメインウォール・フェルミオンを含むゲージ配位を用いて、臨界温度以上の高温相における体積依存性やクォーク質量依存性を検証する。さらに、高温相の相関関数においてemergentに現れる$$SU(4)$$対称性や$$SU(2)_{CS}$$対称性について議論を行う。

論文

YBa$$_{2}$$Cu$$_{3}$$O$$_{7-x}$$単結晶におけるX線回折像に現れるスペックルと超伝導相転移の相関

鈴木 拓*; 高野 秀和*; 竹内 晃久*; 上杉 健太朗*; 朝岡 秀人; 鈴木 芳生*

X線分析の進歩,36, p.249 - 257, 2005/03

磁性材料・機能性材料が持つ物性と、サブナノから十数ナノメートルオーダーのドメイン構造との相関を調べることを目的とし、回折speckle像観察法の開発を目指して実験を行った。試料にはYBa$$_{2}$$Cu$$_{3}$$O$$_{x}$$のas-grown単結晶試料とO$$_{2}$$雰囲気下アニーリング単結晶試料を用いた。(006)反射スポットをCCDカメラで撮影した。液体窒素吹き付け冷却により、RTから86Kの範囲で実験を行った。RTではドメイン構造があまり観察されなかったが、冷却に従ってドメイン構造が強くなり、配列はランダム状を示した。超伝導転移点付近で配列は急に整列に向かい、超伝導状態では強いドメインが整列している様子が観察された。本法は現時点では未だ技術的課題を多く残すが、ドメイン構造に関する情報を得ることが可能なため、機能性材料の開発研究に対し、有意な情報をもたらすと思われる。

論文

X-ray diffraction topography on ferroelectric materials

米田 安宏; 香村 芳樹*; 鈴木 芳生*; 濱崎 真一*; 高重 正明*; 水木 純一郎

Transactions of the Materials Research Society of Japan, 30(1), p.51 - 54, 2005/03

最近、強誘電体にある種のドメインを導入することにより、単一分域構造を越える優れた特性が得られることが判明し、ドメイン構造制御が材料開発におけるブレイクスルーとなることが期待されている。この観点からドメイン観察技術も新規手法の開発や従来法の開発が進んでいる。放射光トポグラフィは古典的な単結晶の結晶性の鑑定に使われてきたが、近年の第3世代放射光源のコヒーレント光を用いることによって、狙ったドメイン-ドメイン相関を観察することが可能となった。この放射光トポグラフィを強誘電体に適用することによって、強誘電体のドメイン構造の詳細を明らかにすることを試みている。

論文

X-ray topography on domain-controlled BaTiO$$_3$$ crystals

米田 安宏; 水木 純一郎; 香村 芳樹*; 鈴木 芳生*; 濱崎 真一*; 高重 正明*

Japanese Journal of Applied Physics, 43(9B), p.6821 - 6824, 2004/09

 被引用回数:9 パーセンタイル:37.43(Physics, Applied)

強誘電体のドメイン近傍では異なる格子定数をつなぎ合せるために格子歪みが生じることをBaTiO$$_3$$を用いて示した。ドメイン境界が増えればドメイン近傍での歪みも増える。したがってドメインを小さくしていけばこの歪みが結晶全体に行き渡り、平均構造を代えてしまう可能性がある。このことを確かめるためにBaTiO$$_3$$に欠陥を導入することによって微小なドメインを均一に作製することができた。このサンプルを放射光トポグラフィを用いて評価したところ、平均構造はわずかに歪んでいるものの、ほぼcubic構造であることがわかった。すなわち、ドメイン近傍における局所的な歪みによって誘起された平均構造である。この結果はリラクサーのようなマイクロドメイン強誘電体を理解するうえで重要な実験結果である。

論文

X-ray diffraction topography on a BaTiO$$_3$$ crystal

米田 安宏; 香村 芳樹*; 鈴木 芳生*; 濱崎 真一*; 高重 正明*

Journal of the Physical Society of Japan, 73(4), p.1050 - 1053, 2004/04

典型的な強誘電体であるチタン酸バリウムのX線トポグラフィをSPring-8の放射光を用いて行った。実験は空間分解能の非常に高いアンジュレータビームラインを用いて行ったため、結晶に生じる歪みを敏感にとらえることができた。チタン酸バリウムは90度ドメインの近傍で異なるドメイン間の格子定数をつなぎ合わせるために歪んでいることがわかった。この放射光を用いた強誘電体のドメイン観察手法は強誘電体のドメインをコントロールして新奇な物性を付加するための測定手段として広く応用されることが期待できる。

論文

X-ray diffraction topography on a BaTiO$$_3$$ crystal

米田 安宏; 香村 芳樹*; 鈴木 芳生*; 濱崎 真一*; 高重 正明*

Journal of the Physical Society of Japan, 73(4), p.1050 - 1053, 2004/04

 被引用回数:11 パーセンタイル:55.64(Physics, Multidisciplinary)

強誘電体のドメイン観察をX線トポグラフィを用いて行った。強誘電体のドメイン境界には異なる格子定数をつなぎ合わせるために歪みが生じるが、この歪みを空間分解能の非常に高い放射光X線を用いることによって検知し、強誘電性ドメイン境界を可視化することに成功した。強誘電体のドメインに生じる歪みは結晶表面に生じるベンディングモードの原因にもなっており、このような微小な歪みの検知は強誘電体にとって非常に重要である。

論文

Domain boundaries in the GaAs(001)-2$$times$$4 surface

高橋 正光; 米田 安宏; 山本 直昌*; 水木 純一郎

Physical Review B, 68(8), p.085321_1 - 085321_5, 2003/08

 被引用回数:17 パーセンタイル:62.76(Materials Science, Multidisciplinary)

従来、GaAs(001)-2$$times$$4構造は、電子線回折パターンによって、$$alpha$$$$beta$$$$gamma$$の3つの相に区別されてきた。しかし最近では、これらの構造は基本的には類似しており、$$alpha$$$$gamma$$の相は、$$beta$$相の秩序が乱れたものであるという指摘もある。本論文では、その場表面X線回折法により見いだされた、$$alpha$$$$gamma$$相に特徴的な構造の乱れについて報告する。$$alpha$$$$beta$$$$gamma$$に相当する表面について、逆格子空間のHK平面内における分数次反射のピークプロファイルを測定したところ、$$beta$$相と比べ、$$alpha$$$$gamma$$相では、ピークが広がるとともに、ピークの位置が[110]方向に移動していることが見いだされた。モデル計算により、このピークの移動は、[110]方向の4倍周期を乱すドメイン境界によるものであることがわかった。この結果に基づき、ドメイン境界の構造について議論をおこなった。

論文

Picosecond snapshot of the speckles from ferroelectric BaTiO$$_{3}$$ by means of X-ray lasers

Tai, R.; 並河 一道*; 岸本 牧; 田中 桃子; 助川 鋼太*; 長谷川 登; 河内 哲哉; 加道 雅孝; Lu, P.; 永島 圭介; et al.

Physical Review Letters, 89(25), p.257602_1 - 267602_4, 2002/12

 被引用回数:40 パーセンタイル:81.14(Physics, Multidisciplinary)

温度に対する無秩序表面ドメイン構造の振舞を調べるためにピコ秒X線レーザースペックル計測が初めて行われた。フェロエレクトリックドメインによって引き起こされた過渡的な表面構造はキューリー温度へ向かっての温度増加に伴い減少し、キューリー温度以上で完全に消滅する。c/aドメインの空間的な配置の急激な変化は、キューリー温度より2度以下から始まることが観測された。そしてそこでは、平気的なドメインの大きさは(Tc-T)$$^{0.37pm0.02}$$により減少することがわかった。キューリー温度近くのパラ状態において存在すると考えられていながら、従来の手法では不可能であった分極クラスターの観察を遂行できる見通しが得られた。

論文

Dielectric investigation of [(SrTiO$$_{3}$$)$$_{6}$$(BaTiO$$_{3}$$)$$_{6}$$]$$_{2}$$ multilayer capacitor

米田 安宏; 阪上 潔*; 寺内 暉*

Japanese Journal of Applied Physics, Part 1, 40(12), p.6888 - 6892, 2001/12

 被引用回数:2 パーセンタイル:11.81(Physics, Applied)

リラクサー強誘電体の強誘電物性の本質は、微視的構造にあるのか、それとも巨視的構造にあるのかは依然として議論の分かれるところであるが、最近になって、非常に細かいドメインを形成したリラクサーの誘電率が著しく小さくなることがわかった。これは、強誘電体としての物性がドメインサイズによって支配され得ることを意味している。そこで、強誘電体におけるドメインサイズ効果を実験的に確かめるため、リラクサーで実現されたドメインサイズとほぼ同じサイズのユニットをもつ多層膜を作製し、その誘電特性を調べた。その結果、作製した多層膜はナノオーダーサイズであるにもかかわらず、強誘電性を示したが、誘電率は小さく、膜厚の大きな単層膜でみられたような温度特性は観測されなかった。これによって、ドメインサイズを小さくすることによって、強誘電性が鈍化することが、リラクサー以外の典型的な強誘電体においても観測された。

論文

Phase transition of BaTiO$$_{3}$$ thin films

米田 安宏; 阪上 潔*; 寺内 暉*

Journal of Physics; Condensed Matter, 13(42), p.9575 - 9582, 2001/10

 被引用回数:19 パーセンタイル:68.12(Physics, Condensed Matter)

リラクサー強誘電体に代表されるようなマイクロドメイン強誘電体では、強誘電体内に生じる強誘電ドメインサイズが物性と密接な関係をもつことがわかってきた。しかし、現在のところ、バルク状態での強誘電的ドメインサイズを制御する方法は見つかっていない。そこで、薄膜にすることによってドメインサイズを1次元的に制御し、物性がどのように変化していくかを研究してきた。バルクの典型的な物性である相転移をマーカーにして、チタン酸バリウム薄膜の作製条件を変えて詳細に調べたところ、薄膜のサイズ、つまりドメインサイズがナノオーダーとなったとき、バルク物性を失い、薄膜特有の物性が現れることがわかった。この結果はマイクロドメイン強誘電体のドメインサイズ効果とよく一致しており、誘電体分野において、薄膜とバルクの架け橋となることを示唆している。

論文

Interfaces in block copolymer/homopolymer mixtures forming dry brushes

橋本 竹治*; 小泉 智; 長谷川 博一*

Physica B; Condensed Matter, 213&214, p.676 - 681, 1995/00

 被引用回数:13 パーセンタイル:60.21(Physics, Condensed Matter)

ブロックポリマー/ホモポリマー混合系で形成されるミクロドメイン構造を小角散乱によって解析した。特に界面構造について小角中性子散乱法と重水素ラベル法を併用し、詳細な知見を得ることができた。得られた結果を中性子反射率測定の実験結果と比較し、薄膜中での相分離構造と、バルクな膜内での相分離構造の違いを議論した。

論文

SANS study of segmental distribution of block copolymer chains confined in a microdomain space

小泉 智; 橋本 竹治*

Physica B; Condensed Matter, 213-214, p.703 - 706, 1995/00

 被引用回数:4 パーセンタイル:31.75(Physics, Condensed Matter)

ミクロドメイン構造中にパッキングされたブロックポリマーの分子形態を観察する場合、中性子小角散乱法と重水素化ラベル法を組み合せることによりコントラストマッチを実現するのが一般的である。このとき完全なコントラストマッチを実現した系であっても、ミクロドメインの形態の情報が分子形態を反映する散乱の中に含まれることを解析的に明らかにした。併せて、ポリスチレン-ポリブタジエンジブロックポリマーを用いてコントラストマッチ系を用意し、上に示した効果を中性子小角散乱実験で確認した。結果はラメラ状ミクロドメインの界面と垂直な方向の散乱には、ミクロドメイン中に局在化した分子形態を反映するゆらぎ間の粒子間干渉性のピークが見え、また散乱関数全体はあたかも分子の回転半径が小さくなったかのように観察され、これは、解析的結果と一致している。

論文

Spatial distribution of homopolymers in block copolymer microdomains as observed by a combined SANS and SAXS method

小泉 智; 長谷川 博一*; 橋本 竹治*

Macromolecules, 27(26), p.7893 - 7906, 1994/00

 被引用回数:105 パーセンタイル:96.33(Polymer Science)

ラメラ状ミクロドメインを形成するブロックポリマーに重合度の等しいホモポリマーを加えるとラメラ状ミクロドメインはホモポリマーの体積分率に関係なくホモポリマーマトリックス中に安定に存在する。このときホモポリマーとブロックポリマーブラシ間で形成されている界面厚を小角中性子散乱と小角X線散乱を併用することにより、実測することができた。この厚みは特性界面厚として約11nmであり、この値はホモポリマー、ブロックポリマーの回転半径のオーダーであることが明らかとなった。

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